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知られざるサン=サーンス vol.2 レポート

9月28日、やなか音楽ホールにて開催された《知られざるサン=サーンス》Vol.2は、
満席のお客様をお迎えし、おかげさまで無事終演いたしました。

ご来場いただいた皆さま、そして応援してくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。

今回の公演では、ピアノとハルモニウムという稀少なデュオ編成によって、
サン=サーンスの若き日の意欲作《6つのデュオ》Op.8 全曲、そしてフランク、ヴィドールといった同時代フランス音楽の魅力を再発見するひとときをお届けしました。

みのりの眼ならではの選曲と丁寧な演奏が、
忘れられた楽器ハルモニウムの豊かな表現力と相まって、
時代を越えた響きの対話を生み出せたのではないかと感じています。

ご来場くださったお客様の“生の声”を、許可をいただいたうえで以下にご紹介しております。
ぜひご覧ください。


2025年9月28日(日)昼

やなか音楽ホールに「知られざるサン=サーンス vol.2」へ。
今回はヴィドールの「6つのデュオ」、フランクの「前奏曲、フーガと変奏曲」にサン=サーンスの「6つのデュオ」をいずれもオリジナルのハルモニウムとピアノの二重奏でという、実に貴重な機会となりました。

ヴィドールとサン=サーンスの作品はいずれも20代の若書きだそうですが、驚くばかりの傑作。
眩い才気に溢れ、楽し気なロンドや華麗な重奏を交えてハルモニウムという当時の新楽器の可能性を追究している名作です。
それを約百年という時を超えて蘇演し、往時の輝きを再現した西澤央子(Hr)さん、蓜島啓介(pf)さんのお二人には大拍手です。

ほぼ忘れられた楽器の復旧から始まって、奏法の再現からアンサンブルの確立に到るまでにハードルは山のようにあったと思いますが、ここまでの完成度に到達して満席の聴衆を感動させたというのは、プロの音楽家の凄さ、そして企画の秀抜さと言うしかないですね。

また再現されたミュステル社製ハルモニウムの響きが実に美しい、足踏みペダルで真鍮のリードに空気を吹き込んで音を出すシステムですが、テヌートしながらのクレッシェンドやストップによる音色の変化などの操作が可能で、早い走句もこなし、ニュアンスに富む音色を奏でる、リードオルガンの枠を越えた楽器です。
録音ではちょっと再現できない空気感のある響きで、生で聴くことの出来たのは大仰ではなく生涯の思い出と言うべく、聴衆冥利に尽きる演奏会でした。有難うございます!


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