ブラームスのピアノ三重奏曲全曲を軸に、ロベルト&クララ・シューマン、そしてテオドール・キルヒナーの作品・編曲を交差させながら、19世紀ドイツ音楽の人と作品のつながりをたどる室内楽シリーズ《四つの肖像》。
第2回では、ブラームスの《弦楽六重奏曲第1番》を、キルヒナーがピアノ三重奏のために編み直した版と、ブラームス自身による《ピアノ三重奏曲第2番》を取り上げます。
この二作品を続けて聴くことで、編曲されたブラームスと、ブラームス自身によるピアノ三重奏との違いも自然に見えてくるはずです。
六人の弦楽器によるふくよかな響きが、ヴァイオリン、チェロ、ピアノという三人の対話へと姿を変えるとき、音楽の何が残り、何が新しく立ち上がるのか。
そこには、単なる「縮小」ではなく、作品の別の表情を照らし出す編曲の力があります。
青年期のブラームスがたたえたみずみずしい抒情と、円熟期に築かれた堂々たる室内楽の世界。
二つの作品を通して、響きの変化、人の手を経て受け継がれる音楽、そして生演奏だからこそ感じられる室内楽の親密な息づかいをお楽しみください。
第1回に続き、ヤンネ舘野さん、鈴木皓矢さん、鶴澤奏さんによる深く親密なアンサンブルでお届けします。
ぜひ多くの方にお聴きいただけましたら幸いです。
