今年はルネサンス期を代表するフランスの詩人ピエール・ド・ロンサール生誕500年にあたります。
ロンサールは生前高く評価されていたもののその後忘れられて、19世紀の終わりから再評価が進み、それは今から100年前の1924年、つまり生誕400年の年にピークを迎えました。
再評価は文学の世界だけではなく、音楽の世界でも広がりました。ロンサールの詩は楽器とともに語られるよう意図されて作られていたので、もともと音楽との親和性が高かったと言えるでしょう。
そして1924年に音楽雑誌『ルヴュ・ミュジカル』はラヴェルやルーセルなど8人の作曲家に、ロンサールの詩を用いた歌曲の作曲を委嘱し、それを『ロンサールの墓』と題した歌曲集にまとめたのでした。
その中で6人の作曲家はピアノの伴奏としましたが、ルーセルはフルートと歌とのデュオ、そしてカプレはハープの伴奏という形で作曲し、それら全てはその年に初演されました。
その後、作品のほとんどは個々に再演されてきましたが、それらがまとめて演奏された記録はどうやらなさそうです。
そこで今回、初演から100年振りにオリジナル編成により、この『ロンサールの墓』全曲を再演することとしました。
20世紀初めのパリのサロンが都内のモダンな空間に現れたかのように演出し、ピアノも当時使われていただろうヴィンテージ楽器(1899年製ベヒシュタインを予定)を使用する予定です。
ピアノを演奏するのはラヴェルの高弟として名高いピアニスト、ペルルミュテールに師事し、その後アシスタントも務めた菅野潤さん。まさにこのイベントに相応しい音楽家です。
せっかくドビュッシーも高く評価したピアノを使用するのですから、菅野さんには導入としてドビュッシーの作品も演奏していただきます。
そして、フランス文学者の高遠弘美さんにご登場いただき、菅野さんとの対談という形でロンサールの偉業などについて語っていただきます。(ちなみに高遠さんは現在プルーストの大著『失われた時を求めて』の翻訳を刊行中です。)
その後にいよいよメインの100年振りとなる『ロンサールの墓』の再演です。オリジナル編成ですからフルートはもちろんハープも登場します。そしてソプラノとテノールとがロンサールの詩を歌い上げます。音楽家はいずれも素晴らしい演奏で聴くものを魅了できる方たちばかりです。
終演後はアフターパーティーを開催します。多種の芸術の分野の愛好家などさまざまな方が集い、
ロンサールのことや演奏された音楽の話などについて語らい、素敵で楽しい時間が流れることでしょう。
人数は60人限定です。
ご興味のある方はお早めにご予約くださいね。
【プログラム】
◎クロード・ドビュッシー『前奏曲集』より
◎ロンサールをめぐる対談:菅野潤(ピアニスト)✕ 高遠弘美(仏文学者)
◎『ロンサールの墓』全曲
・ポール・デュカス「カサンドルのソネット」
・アルベール・ルーセル「マリーへのソネット」
・ルイ・オベール「エレーヌの泉」
・アンドレ・カプレ「ピエール・ド・ロンサールのソネット」
・アルチュール・オネゲル「シャルル・パンゼラに捧げるシャンソン」
・アレクシス・ロラン=マニュエル「ソネット」
・モーリス・ドラージュ「自らの詩神(ミューズ)に捧ぐ」
・モーリス・ラヴェル「ロンサールここに眠る」
日時:2024年11月24日(日) 午後4時開演
場所:いずるば(東急多摩川線「沼部駅」徒歩5分)
出演:菅野潤(ピアノ)
金沢青児(テノール)
牧野淳子(ソプラノ)
木村麻衣子(フルート)
高野麗音(ハープ)
特別出演:高遠弘美(トーク)
司会進行:丸山有美
入場料:6,000円(豪華ブックレット付)
アフターパーティー:4,000円(希望者のみ)
ご予約・お問い合わせ
◯みのりの眼:info@minorinome.com
◯企画室・音と光:espace@sono-lumiere.net