ルクーとその時代 vol.2 レポート
おかげさまで「ルクーとその時代 vol.2」 無事に終了しました。
ご来場いただいたお客さま、そして応援いただきました皆さま、本当にありがとうございました!
今回もまた知られざる作品が、素晴らしい音楽家たちによって演奏されました。
貴重な演奏会だったと思います。
おいでいただきましたお客さまの生の声を、許可をいただき、ここに転載します。ぜひご覧ください。
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谷中音楽ホールに「ルクーとその時代 vol.2」へ。
曲目は前半がイザイの「無伴奏ヴァイオリンソナタ第五番」、「悲劇的な詩」にドビュッシーの「ヴァイオリンソナタ」。
後半がルクーのピアノ曲「3つの小品」と「ヴァイオリンソナタ」。
演奏は先日音コンで優勝された栗原壱成さんのヴァイオリンに蓜島啓介さんのピアノ。
正直な話、イザイやルクーの音楽は19世紀末のマニエリスムの「ここまでの音楽」という先入観を持っていたが、お二人の鮮烈な演奏で聴いているうちに「これからの音楽」に印象が一変。古い絵を覆っていたヤニのようなニスを剥がしたら、色鮮やかな名画が現れたような感動を味わう。
栗原さんの躍動する演奏を目前で聴いているうちに、イザイの曲がヴァイオリンの伝統的な技巧の粋を尽くして初めて切り開けた表現の最前線であったこと、その技巧と表現は20世紀音楽の旗手のようなドビュッシーの作品にも共有されていることを実感した。2つの作品が、別々の表現で音楽の「これから」を切り開いていこうとしたように思われた。
これはプログラムの妙味でもあったと思う。
後半の組み合わせでは、ルクーの若々しいピアノ曲「3つの小品」の息吹が、代表作「ヴァイオリンソナタ」にも流れていることを感じた。
古い録音で感じた「緩慢なテンポによる濃密な転調の音楽」というよりも、爽やかで躍動する音楽という印象を強く受けた。蓜島さんの構築的な名演奏がそれを支える。
プログラムといい演奏といい、一服の名画、それも修復成ってかつての輝きを取り戻した名画という感じだった。
作品愛に溢れた企画に演奏を有難うございました!
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