みのりの眼

ルネ・ド・カステラ 生誕150周年記念 vol.2(2023.11.23)

カステラってお菓子のあれ?
いえ、さまざまな素敵な作品を残した作曲家の名です。

あのアルベニスの弟子であり、親友でもあったカステラ。エレガントで優美な旋律と、詩情に溢れた音楽は唯一無二のものですが、まだまだ知られていません。
同じ地方の盟友セヴラックら、彼を囲んだ作曲家の作品とあわせて聴いてみましょう。
新たな喜びがきっと見つかります。

vol.2 では、カステラの大作であり名作である「ピアノ三重奏曲」を、カステラと親交の深かったトゥリーナとラヴェルの同じ編成の作品とともにお送りいたします。

【プログラム】
・トゥリーナ 「ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための幻想曲 ≪環≫ 」
・ラヴェル「ピアノ三重奏曲」
・カステラ「ピアノ三重奏曲」(日本初演)

全席自由 各回 一般:4,500円/ 学生:3,000円/ ペア:8,000円
9/30との2回通し券 一般:8,000円/ 学生5,000円/ ペア:15,000円

日程:2023.11.23(祝) 15:00開演(14:30開場)
場所:やなか音楽ホール

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フェデリコ・モンポウ 生誕130周年記念「カタロニアの風」(2023.11.21)

2023年はカタルーニャの作曲家フェデリコ・モンポウの生誕130年の年に当たります。
これを機にモンポウを回顧するコンサートを京都、神戸、そして東京の3都市で開催します。
しかしこのコンサートは単なる回顧ではありません。

モンポウは主にピアノのための作品と歌曲を残しましたが、今回のコンサートで演奏される彼のオリジナル作品はギターのための「コンポステラ組曲」のみです。
それ以外は新旧の日本人作曲家が弦楽器用に編曲した作品、そしてその中で日本を代表する作曲家のひとり、平吉毅州がモンポウやカタルーニャの地にインスパイアされて作曲した「カタロニアの風」でプログラムは構成されています。

つまりこのコンサートは、モンポウと彼を育んだカタルーニャという土地に対する日本からの眼差しを明らかにすることによって、モンポウという作曲家の普遍性を再発見するものなのです。

またとない機会をぜひお見逃しのないよう。

【プログラム】
・モンポウ / 松﨑国生編 「子供の情景」 弦楽四重奏
・モンポウ / 「高み」 ヴァイオリン+ギター
・モンポウ 「コンポステラ組曲」 ギター
・モンポウ / 平吉毅州編 「7つの『歌と踊り』」 ギター+弦楽四重奏
・平吉毅州 「カタロニアの風」 ギター+弦楽四重奏

【東京公演】
全席自由 一般:4,000円/ 学生:2,500円

日程:2023.11.21(火)19:00開演(18:30開場)
場所:ルーテル市ヶ谷ホール

*京都公演 10月29日(日)、神戸公演 10月30日(月)

 

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山田穣 スペシャルジャズクインテット (2023.11.5)

毎年好評をいただいています年に一度の代官山ヒルサイドプラザでの山田穣スペシャルクインテット!
今回は、日野皓正グループのメンバーとしての活躍でも有名であるアルトサックス奏者、多田誠司を迎えます。
今回もまたここでしか聴けない編成と演奏で皆さまに楽しんでいただきたいと思います。

普段ジャズに親しみのない方でも大丈夫!むしろそんな方にこそ聴いていただきたいとっておきのコンサートです。
ドリンク片手に気楽な気持ちで楽しんでみてください。
きっとジャズの魅力に気づいていただけるものと思います。

2023年11月5日(日) 午後4時開演(午後3時30分開場)
代官山ヒルサイトプラザ
全席自由 一般:4,500円(ぺア:8,000円)ワンドリンクサービス

 

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倉田莉奈 コンセプチュアル・リサイタル vol.5 レポート

全5回に渡る倉田莉奈さんのコンセプチュアルシリーズ、今回が最終回の第5回目。
テーマは「いのりのおと」。

「祈り」というと有名な宗教曲ばかりが並ぶかと思いきや、そこは倉田さんのセンスが光るさすがの選曲。
穏やかな日もあれば、悲しく切ない時も、取り乱し錯乱しそうな時も。 そんな人一人、どんな人にも誰にでも起こり得る、日常の中で生きることそのものを俯瞰するかのような70分の物語。

誰かの一生を押し付けがましくなく、暖かく、寛容に見守る祈り。
その誰もが尊く、どの瞬間も尊く、それが「いのりのおと」となる。

言葉で書いてしまうと陳腐ですが、通常のコンサートよりも著しく明かりを落とし、拍手も休憩もない静寂の中で、ただ音楽に耳を傾けていると、きっとどの人にもそれが伝わっていたのではないかと思います。

それがコンセプトの説明ありきの現代美術とは大きく異なる点で、全ての演出、選曲、音楽そのものが、なんの言葉や説明を介さずともその真意が伝わるのです。
それはこの日この場で体感するパフォーマンスとして、大変に意義のあるものでした。

このシリーズ以前に倉田さんの演奏を聴いた際見えた、数少ない色で彼女の印象を判断してしまっていましたが、こんなにも引き出しの多い、様々な色の、大きな音楽をも持った音楽家であったことをまざまざと思い知らされた全5回のシリーズ。

この日の最後はベートーヴェンのピアノソナタ30番でしたが、失礼ながら最初の印象からはこんな大きな演奏が聴けるとは思いませんでした。

休憩なしで難曲の並ぶ、このハードなコンサートのシリーズは、きっとご本人の消耗も激しかったことかと思います。
それでもコンサートという場で出来る新たな可能性を、未来を見せてくれたこと、そしてそれを共有して下さった、ご来場いただいた全ての皆様に深く御礼申し上げます。

(文責:前原麗子(みのりの眼スタッフ))

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倉田莉奈 コンセプチュアル・リサイタル vol.5「いのりのおと」(2023.10.19)

はじめの音が放たれてから、最後の音が消え入るまでの70分間―
拍手や休憩を挟まずノンストップで演奏され、ひとつのテーマを描き出すプログラム。
短編映画を観るように聴いていただけたら、という思いで制作している〈倉田莉奈 コンセプチュアル・リサイタルシリーズ〉は、第5回を迎えます。

今回のプログラムは、愁いを帯びたフランクのオルガン曲「前奏曲、フーガと変奏曲」(バウアー編)、そして優しく光を放つベートーヴェン「ピアノソナタ第30番 作品109」を軸にお届けします。大切な人を想う、穏やかな明日を待つ、そんな日々の小さな「いのりのおと」を皆さまと分かち合えたらと思います。

2年間で全5回、を想定して昨年スタートしたこの「コンセプチュアル・リサイタル」シリーズ。
第1回「nostalgia」第2回「花言葉」第3回「こわれる」第4回「旅路」と、それぞれ違ったコンセプトで、一曲も重複することなくプログラムを組んできました。

今回で一区切りということで、暫定最終回、全力で取り組んでおります。
今までいらしてくださった方も、聴き逃してきたけどちょっと覗いてみるか…という方も、どなた様も歓迎です。
心を尽くして曲と向き合いながら、お待ちしております!✨

(倉田莉奈)

10/19(木) 19:00開場 19:30開演
鶴見・サルビアホール(音楽ホール)にて

program
アルヴォ・ペルト : アリーナのために
フランク:前奏曲、フーガと変奏曲(バウアー編)
フォーレ:舟歌 第12番 変ホ長調
モンポウ:歌と踊り 第9番
ラヴェル:鏡より『悲しき鳥たち』
ミュライユ:別離の鐘、微笑み
梶谷修:風に・・・波に・・・鳥に・・・
シューベルト:アダージオ ホ長調 D612
ベートーヴェン:ピアノソナタ 第30番 ホ長調

一般4,000円 学生2,000円 [リピとも割あり]

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ルネ・ド・カステラ 生誕150周年記念 vol.1 レポート

『ルネ・ド・カステラ生誕150年記念 カステラとその周辺 〜フランス南部に響く心の音楽〜 』その第一回公演は、昨日満員のお客さまをお迎えして無事終了致しました。ご来場いただいた皆さま、また応援いただきました皆さま、誠にありがとうございました!

ルネ・ド・カステラの日本初演の歌曲、チェロ曲、そして昨年の日本初演後の再演となる「コンセール」を後半に、前半はカステラと繋がりが深かったセヴラック、ルーセル、そしてラヴェルの作品で構成された2時間を超えるプログラムでしたが、多くの皆さまにご満足いただけたようでホッとするとともにとてもうれしかったです。

まずは拙いナビゲーションに対するご批判が少なからずあったことについては真摯に受け止めて、次回以降の改善に繋げたいと思います。ご不快に思われた方については深くお詫び申し上げます。

しかし本編の演奏に対しては、相変わらずたくさん残された貴重なアンケートの全てが大絶賛ばかりで、また初めて聴くカステラの作品に対しても気に入っていただけたことも判断できて、企画者としてはその冥利に尽きる思いです。

カステラのメモリアルイヤーとは言え、彼の作品だけのプログラムにするのでなく、繋がりがありつつ、それぞれ作風の異なる同時代の作曲家の作品も並べることによって、19世紀末から20世紀の大戦期くらいまでのフランス音楽の多様な状況からカステラの位置を捉えていただくという目的もある程度伝わったのではないかと思います。

その中で明らかに秀でたラヴェルの作品を聴いた上でも、カステラの作品を聴いてその再演さえも望んでいただける声が多かったことで、「みのりの眼」の活動原理の2つ、すなわち「生の音楽を聴く新たな喜びを提供する」と「世の中で知られずにいる素晴らしいものに陽の目を当てる」がある程度達成されたと考えています。

しかしこれらは出演してくださった音楽家の皆さんの素晴らしい演奏やその他のご協力があってのことです。企画趣旨を理解いただき、そのそれぞれの楽曲に対して共感いただいたからこそ、あれほどの密なアンサンブルが実現したと思います。演奏家の皆さまにも感謝いたします。本当にありがとうございました!

お客さまも音楽家の皆さまも再演を望む声が多いので、その実現に向けてまた頑張りたいと思います。今回いらっしゃれなかった方もぜひいらしてください。

そして11月23日(祝)には第二回として、ホアキン・トゥリーナ、ラヴェル、そしてカステラのピアノ三重奏曲のコンサートを開催します。カステラのピアノ三重奏曲も名作の誉れ高い作品です。ご都合つく方はぜひいらしてください!

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ルネ・ド・カステラ 生誕150周年記念 vol.1(2023.9.30)

カステラってお菓子のあれ?
いえ、さまざまな素敵な作品を残した作曲家の名です。

あのアルベニスの弟子であり、親友でもあったカステラ。エレガントで優美な旋律と、詩情に溢れた音楽は唯一無二のものですが、まだまだ知られていません。
同じ地方の盟友セヴラックら、彼を囲んだ作曲家の作品とあわせて聴いてみましょう。
新たな喜びがきっと見つかります。

vol.1 では、カステラの名作、フルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための「コンセール」のほかさまざまな編成の作品をあつめて、、セヴラック、ルーセル、ラヴェルの作品とともにお送りいたします。

【プログラム】
・セヴラック 「セレの思い出」、「ミニョネタ」(ともにヴァイオリンとピアノ)
・ルーセル「笛吹きたち」(フルートとピアノ)
・ラヴェル「ハバネラ形式のヴォカリーズ(フルートとピアノ)
・ラヴェル「マダガスカル島民の歌」(テノール、フルート、チェロ、ピアノ)
・カステラ「感傷的な対話」(テノールとピアノ)
・カステラ「3つの歌」(テノールとピアノ)
・カステラ「シシリエンヌ」(チェロとピアノ)
・カステラ「コンセール」(フルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ)

【出演者】
・金沢青児(テノール)
・大塚茜(フルート)
・ヤンネ舘野(ヴァイオリン)
・鈴木皓矢(チェロ)
・蓜島啓介(ピアノ)

全席自由 各回 一般:4,500円/ 学生:3,000円/ ペア:8,000円
11/23との2回通し券 一般:8,000円/ 学生:5,000円/ ペア:15,000円

日程:2023.9.30(土) 14:00開演(13:30開場)
場所:鶴見サルビアホール音楽ホール

 

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徳永真一郎 & 松田弦 ギターリサイタル「在りし日の歌」

『徳永真一郎 & 松田弦 ギターリサイタル 〜在りし日の歌〜』、昨日たくさんのお客さまをお迎えして無事終了しました!いらっしゃっていただいたお客さま、どうもありがとうございました😊

昨年に引き続きこの素晴らしい響きのサルビアホール音楽ホールでの開催でしたが、今回もまたお2人は素晴らしい演奏を聞かせてくださいました。2人のそれぞれの個性が高いレベルで絶妙に絡み合い調和し、相乗効果が充分に働いていて、全ての音に命が宿っていました。

ギターの特性を知り尽くした、自身最高のギタリスト鈴木大介さんの編曲による2曲はもちろん、原曲はピアノ曲であるシューマン「子供の情景」も、ピアノ演奏に負けない隅々まで意識が行き届いた作品のポテンシャルが充分に表現されていました。

そしてセルジオ・アサドの組曲「夏の庭」全曲!
昨年のコンサートの打ち上げで、来年はこれをやろう!と自然と皆で湧き上がったアイデアでした。それがこれほどのハイクオリティな演奏で実現されたことに企画制作者としても本当にうれしかったです。たくさん集まったアンケートでもほとんどのお客さまがこの曲の演奏が特に印象に残ったようでした。それは終演後の割れんばかりの拍手喝采にも現れていました。

アンコールは新進気鋭の作曲家、松﨑国生さんによる、このコンサートのために編曲された名曲「スタンド・バイ・ミー」。本編のプログラムのテーマの流れにも沿って、しかしアンコールに相応しいジャズっぽいノリのよい音楽は自然にリラックスし身体も揺れるもので、お客さまも心地よく感じていただけたのではないかと思います。(期間限定で「みのりの眼」公式ページで公開できたらと思っています。改めてご案内します。)

この2人のデュオ、恒例のコンサートとして、来年もまたこの時期に行う予定です。ここでしか聞けない内容を用意してお待ちしております。今回ご来場できなかった方もぜひ来年はいらしてください!

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徳永真一郎&松田弦 ギターリサイタル「在りし日の歌」(2023.8.26)

昨年に引き続き今年もこの実力派ギタリスト2人のデュオ・コンサートを開催します。

しかも今年のメインは、傑作&難曲のセルジオ・アサドによる組曲『夏の庭』全曲です!

相米慎二監督の同名映画のサウンドトラックとして作曲されたこの作品は、映画の世界をさらに高めていましたが、音楽単体で聴いてもとても聞き応えがあります。

その他、シューマン『子供の情景』、武満徹『どですかでん』、モリコーネ『ニュー・シネマ・パラダイス』と、どれもかつてあった風景を思い起こさせる作品を集めました。

静の徳永さんと動の松田さんと言ったら、実はその風貌の話でしかなく、それぞれの音楽を正しく表してはいませんが、それでもお互いの異なるキャラクターが重なると、相乗効果でその世界が格段に豊かになる様は見ていて圧倒されます。

ギターファンはもちろん、音楽ファンであれば聴いて損はありません!それどころか普段音楽を聞かない人にもオススメできます。

是非是非いらしてください!

【プログラム】
・武満徹/鈴木大介編:どてすかでん
・シューマン/柴田健編:子供の情景
・モリコーネ/鈴木大介編:ニュー・シネマ・パラダイス
・セルジオ・アサド:組曲「夏の庭」

入場料:全席自由4,500円(ペア8,000円)

日時:8月26日(土) 午後2時開演
場所:横浜鶴見区民文化センターサルビアホール音楽ホール

ご予約・お問い合わせ:みのりの眼
①お名前、②人数、③お電話番号をお知らせください。折り返し予約完了のメールをお送りします。
なお、本公演は当日受付で現金での入場料の精算をお願いしています。

 

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七條恵子 フォルテピアノリサイタル

久しぶりに凄いものを聴いてしまった。
CDでは聴いていた音楽家、七條恵子さんのフォルテピアノのリサイタルだ。
改めて生と録音とでは天と地ほど違うことを思い知らされた。
 
使用楽器は、かつて僕にフォルテピアノの魅力を教えてくれた、今は亡き小島芳子さんの形見とも言うべき名器。
僕もかつて何度か聴いたはずだが、当たり前だけれど扱う人が変われば鳴る音も変わる。
記憶力には全く自信がないが、それでも今回初めてこの楽器の新たな魅力を発見した思いがした。
 
それを引き出した七條さんの演奏はまさに天才のそれというべきもの。
溢れ出るイメージに従い、繊細さも兼ね備えつつ自在に進んでいくそれは一回性そのもので、きっと同プロのこの後2回のリサイタルでの演奏はまた全く違うものになるだろう。
しかしそこに恣意性は全く感じられない。
これこそ音楽の真髄、表現の理想だと思う。
 
しかしそれだけこちらの感覚にビシビシくる並外れた集中力で演奏に向かうも、不思議とこちらに緊張を強いることはない。
むしろ聴いてる僕らも連れて飛び立つような軽やかさがひたすら心地よかった。
いやぁ、これやっぱり同プロの別公演聴きたいよ。
そんなことを強く思わせるコンサートだった。
 
文責:山田満

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